店舗のブランディングこそが リアル店舗のアマゾン対策である

粗利対策だけが目的の
PB開発からの脱却

 今月の特集は、「PB(プライベートブランド)開発最前線」。ネットでなんでも買える時代にあって、わざわざリアル店舗に時間と手間をかけて来店してもらうためには、アマゾンでは買えないオリジナル商品の価値を高めていくことが、ますます重要になっている。
 かつてのPB開発は、「粗利対策」がもっとも重要な目的だった。パッケージはNB(ナショナルブランド)そっくりで、売価は半値、しかし粗利益率は50%もあるので、PBを推奨販売すれば、店全体の粗利益率の改善につながった。経営対策としては決して間違ってはいないが、ネット販売の台頭、オーバーストアの中で、「顧客に選ばれる店」になるためには、企業の都合だけではなくて、「カスタマーファースト」を中核にしたPB開発の根本的な見直しをすべきである。
 DgS(ドラッグストア)でも、NBの鎮痛剤「バファリン」にそっくりの「バッサリン」という名称のPBや、NBのシャンプー「ダヴ」にそっくりの「ダウアー」という名称のPBがある。初めて見た時は、私も若かったせいかセミナーで「こんな品のないPBをつくって恥ずかしくないのか?」と文句をいい、PB開発担当者から嫌な顔をされたこともあった。
 これからの小売業のPB開発は、パクリPBから脱却し、開発コンセプトや世界観を明確にした、本当の意味での「ブランディング」を行うことが不可欠の戦略になる。価格の安さ以外の付加価値をつくり、その企業のPBがあるから、わざわざその店に来店するような強固なブランドとして育成することが重要であろう。

定期的なリブランディングで
ブランドを磨き続けよう

 これからのPB開発で絶対にやってはいけないことは、…(続きは本誌をご覧ください