「顧客満足」向上の戦いは 僅差の勝負に突入した!

1企業10店以上の調査で
標準化のレベルを測定した

 ドラッグストア(DgS)の調査なので、スーパーマーケットやホームセンターの読者、メーカーの読者の方々は関係ないと思われるかもしれないが、アマゾンとの激烈な競争、そして星の数ほど店がある中で、「わが店、わがブランドを選んでもらう努力」をすることは共通の経営課題である。
 顧客満足度を高める努力を継続することこそが、「リアル店舗に行く価値」を高めることにつながる。
 昨年の調査店舗数が「30社×1企業5店舗=150店」だったのに対して、今年は「39社、509店舗」を調査した。昨年の1社5店舗の調査に対して、今年は平均で1社10店を超える調査を行った(その企業の店舗数によって調査店舗数は変更)。
 毎年1企業で複数の店舗を調査する理由は、多店舗展開するチェーンストアの最大の顧客満足対策は、店による、人による「バラツキ」を極力少なくすることだと考えているからである。
 「〇〇ストア」という看板(ブランド)を信用して来店したのに、A店の接客は素晴らしいが、B店の接客は最悪とういう状況は、〇〇ストアというブランドを信頼して来店した消費者に対する裏切り行為である。
 月刊MDの顧客満足度調査では、「どの店に行っても」「誰が担当しても」バラツキの少ない状態を維持していることを非常に重視している。バラツキが少ないということは、「標準化」のレベルが高いということである。つまり、「標準化」こそが、チェーンストアの最大の顧客満足対策なのである。
 今回、1企業当たりの調査店舗数を増やしたのは、「たまたま調査した店がダメで、運が悪かった」という当たりはずれを極力少なくし、その企業の標準化のレベルをより正確に測定するためである。
 また、前回の調査では、1企業5店舗の調査なので、古い店舗が混じると不公平かもしれないと考えて、開店5年程度の新しい店舗に絞って調査したが、今回は調査店舗数が多いので、店舗年齢はとくに考慮しないで調査店舗を選んだ。
 顧客満足度向上のためには、古い既存店を放置せず、店舗改装(リブランディング)を計画的に行うことも重要であり、あえて店舗年齢の古い店舗も入れている。
 さらに、今回の調査は、その店や企業のことをよく知っている「地元に住んでいる女性」が調査員である。日頃、その店を利用している、「あなたの店の固定客」の意見も多いことを強調しておきたい。

総合満足度のレベルは
年々向上している

 いつも言っているが、この顧客満足度調査は、順位をつけることが目的ではない。あくまでも、標準化を徹底し、顧客満足を向上させるための参考資料になればいいと考えて毎年実施している。当然、調査店舗のあたり外れ、調査員の個性などで、辛口だったり、甘口だったりすることもあるので、順位で一喜一憂はしないでもらいたい。
 今回の顧客満足度調査で特筆すべきことは、…続きは本誌をご覧ください