商品を「絞り込む」ことが 最大のネット販売対策である

多品目、射的陳列によって 膨大に売り逃がしている

 今月号の総力特集は、「オーラルケア売場の問題点と強化策」の提案である。詳細は特集を参照してもらいたいが、オーラルケアは、非食品分野では「買上率」が二番目に高い重要カテゴリーである。つまり、来店客の多くが購入する可能性の高いカテゴリーであり、購買頻度も使用頻度も高く、客層も広い。オーラルケアは、「狭小商圏高シェア」を実現するための戦略カテゴリーである。
 今回は、店頭取材、調査、ビッグデータ分析によって、オーラルケアの定番売場の問題点を探った。結論として、品目数が多すぎるために、射的陳列(大半の商品が1フェース陳列)になっており、探しにくく、選びにくい売場の代表であることが明らかになった(図表1)。
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 しかも、1フェース陳列で面積が少ないために、商品特性をショッパー(買物客)に理解してもらうための売場での「情報発信」が決定的に不足している。
 本来、歯の健康を保つことは、カラダの健康を維持することと直結している。日用雑貨というよりも「ヘルスケア」「ビューティケア」に属するカテゴリーと言える。しかし、射的陳列で情報発信が不足しているために、使用率が20%程度と低い「サブカテゴリー」(洗口液、デンタルフロス、歯間ブラシ、電動歯ブラシなど)の使用率がほとんど増えていない。
 こうしたヘルスケアのサブカテゴリーが育っていないのは、DgS(ドラッグストア)の定番売場に原因がある。使用率は高いが、粗利益率の低いハブラシ、ハミガキ(ペースト)ばかりを売り込む売場になっており、カテゴリーとしてのマージンミックスができていない。
 使用率が20%程度のサブカテゴリーが多いということは、逆にいえば、ショッパーに商品の価値を理解してもらい、使用率を高めれば、需要創造(売上増)と粗利ミックスを実現する大きなチャンスが眠っているという意味である。


多品目、大商圏型の店舗がアマゾンの餌食になっている

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