変わってはならないものと変わり続けるもの
企業経営は、変わってはならないものと、変わり続けるものの2つを同時に持つ必要がある。変わってはならないものは、企業理念、社会的使命、企業文化である。また、企業活動の目的は、「顧客満足」と「従業員満足」の最大化であるという経営哲学は、古今東西を問わず普遍的な価値観である。
一方、(1)環境の変化(競争、法律)と、(2)消費者の変化、に柔軟に対応するため、業態(ビジネスモデル)や売り方は、変わり続けなければならない。とくに小売業は「変化対応業」であり、過去の成功体験を捨てて、果敢に変化できる「組織」でなければ、長期的に繁栄することはできない。
環境の変化は、ネット販売との競争激化である。リアル店舗は、次の10年間、ネット販売と差別化し、融合することが最大の経営テーマである。とくに、リアル店舗の商圏人口は「狭小商圏化」する。その結果、低価格で広域から不特定多数の顧客をかき集めて売上を増やす「大商圏型の小売業」が衰退する。一方、限られた商圏の中で、固定客に長期にわたって繰り返し来店してもらう「小商圏高シェア型」の小売業は生き残る。
消費者の変化は、(1)高齢者世帯の増加、(2)働く女性の増加、(3)人口減少、(4)都心立地への人口集中などである。
「環境の変化」と「消費者の変化」という2つの大変化に流通・小売業は対応し続けなければならない。
その結果、売場レイアウト、販促などの売り方、出店戦略などは大きく変化していくことになる。
売場レイアウトは変わり続けるべき技術
今月号は、「売場レイアウト改善のための客動線調査」と「新しい集客」の特集である。売場レイアウトや販促は、変わり続けなければならない技術である。特集で取り上げた最新のトレンドをぜひ参照してもらいたい。
とくに売場レイアウトは、消費者の購買行動の変化によって、時代とともに変化し続けなければならない代表的な技術である。
なぜならば小売業は、…