今年の顧客満足度調査で
荒れた売場が増えている
毎年12月号(11月20日発行)で特集する「ドラッグストア(DgS)顧客満足度調査」を今年も8月から編集部が手分けして実施している。今年は、昨年18社だった調査企業数を30社に増やした。1社5店舗を無作為に抽出し、編集部員を中心としたミステリーショッパーが接客、欠品、清掃、レジ応対の状況などを調査する。合計150店舗(30社×5店舗)を調査した採点結果によって、総合ランキング、部門別ランキングなどを出す特集企画である(詳細は12月号で掲載)。
2年連続で顧客満足度調査を行った編集部員に途中経過を聞いたところ、昨年よりも「荒れた売場」が増えているという感想だった。また、同一企業であっても、調査した5店舗の「バラツキ」が昨年よりも広がった企業もあったということだ。
多店舗展開する小売業の最大の顧客満足対策は、「標準化」の徹底である。つまり、どの店に行っても、一定の誤差の範囲内で均質化されたサービスを提供することが、その企業のブランドを信頼して来店してくれた顧客に対する約束である。
つまり、バラツキを少なくする標準化は、チェーンストアの最大の顧客満足対策である。
ところが、調査結果の途中報告では、相変わらず店舗間のバラツキは大きい。同一企業でも、A店のレジ応対はとても良いが、B店のレジ応対は最悪であり、とても同一企業のオペレーションとは思えないほどバラツキの大きいDgS企業もあった。
昨年よりも「荒れた売場」が増えて、店舗間のバラツキが大きかったDgS企業は、単純な人時数削減によって「作業崩壊」を発生させていると推測される。
作業崩壊のもっとも典型的な光景が写真1である。このDgSでは、編集部の調査員が来店した午後2時から50分間、補充用の山積みオリコンがエンド前に置きっぱなしになっていた。エンドで販売している商品がまったく見えないのにもかかわらず、店側はその状態を放置していた。調査した編集部員が店舗を離れる際に写真1の状態だったので、放置時間はさらに長かったかもしれない。
DgSの販管費率は
上昇傾向にある