総合満足度に影響を与える 「顧客満足度調査項目トップ10」

承認欲求を満たす接客が
リアル店舗には不可欠

 2017年12月号で特集した「DgS顧客満足度調査2017」では、統計的な分析手法を用いて、総合満足度との相関係数が高い調査項目の得点を高くした。総合満足度とは、「この店で買物することを知人に勧めることができますか?」(0~10の11段階評価)という質問である。
 その総合満足度に各項目がどのくらい貢献をしているかを確認するために、各項目と総合満足度との相関係数(総合満足度に与える影響の大きさ)を数値化した。
 相関係数の高い調査項目は、「総合満足度」を高めるために改善すべき最重点項目である。別の表現をすれば、「顧客満足(CS)」を高めるために店舗が優先的に改善すべき項目である。
 今回の調査で相関係数を数値化した結果、総合満足度に大きな影響を与える調査項目のトップ10を図表1に改めてまとめたので参照してほしい。
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 ダントツの第1位は、「調査での店舗滞在時間を通して、店舗従業員は常に顧客を意識した(ダラダラしない、従業員同士で私語をしない)行動がとれていましたか?」という質問であった。この質問に対する評価が高い店舗は、総合満足度が高くなる傾向が非常に強いということである。
 人間は潜在的に人に認められたいという「承認欲求」があり、これは人間の根源的な欲求でもある。ネット販売もなく、店も少ない時代では、店頭で無視されて承認欲求を満たされなくても、仕方なくその店で買物をしていたが、これからの時代は「承認欲求」を満たしてくれない店舗は選ばれなくなる。ネットでなんでも買える時代にあって、リアル店舗の最大の顧客満足対策は、「承認欲求」を満たすことであると断言してもいい。
 先日もあるDgSで、対面式レジで従業員2人がずっとしゃべっていた。私がレジに並ぶと私語はやめたが、精算が終了して機械的に「ありがとうございます」といい終わると、まだ私がレジにいるのに、すぐにおしゃべりを再開した。話している途中にレジに並ばれて面倒だなという態度がありありで、「無視された」という印象を受けて、とても嫌なおもいをした。人に認められたいという「承認欲求」を満たさない接客の典型であった。

最新テクノロジーを使った
接客のマニュアル化と標準化

 図表1の第2位、第3位も、「挨拶」と「接客」「問合せ対応」に関する項目であり、店舗従業員が質問したことに丁寧に答えたかどうかが、総合満足度に大きな影響を与えることがわかった。第1位~第3位の項目は、すべて店舗従業員の接客態度に関する項目である。
 これからのリアル店舗は、…
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