AI、ロボット化による 生産性革命は待ったなし

第2の創業期の
10年をスタートします

 約20年前に月刊MDを個人で創刊しました。今年から創刊21年目がスタートしています。20年もよくもったな、20年やってもこの程度か、などと個人的に思うところはいろいろとありますが、242号(今月号)を途切れずに出し続けたことは誇りに感じています。
 私自身も創業から20年を経て、普通の会社員なら定年を意識する年になりました。しかし、健康であれば最低でもあと10年は第一線で頑張りたいと思います。とはいえ、会社の寿命は20年ともいわれており、従来のビジネスモデルの延長線上に、未来の発展はありません。われわれも変化対応できないかぎり生き残れないと感じています。
 今年は、6月を目標に『MDNEXT』という名称のWEBメディアをいよいよスタートさせます。現在、鋭意準備中ですのでご期待ください。
 東京に住んで電車に乗っていると、新聞、週刊誌、漫画などの紙媒体を読んでいる人をみかけることが本当に少なくなりました。私自身もマンションに住んでいるので、いちいち下まで新聞を取りに行くのが面倒で、スマホで読める「電子版」を購読しています。速報性が重要なニュースなどの情報は「紙媒体」から「スマホ」という流れは一気に加速しました。
 月刊MDはもともと速報性の必要なニュースはあまり掲載しない方針で、1号完結の「書籍」に近い編集内容を心がけてきました。書籍的な紙媒体はこれからも残るとおもいます。
 とはいえ、PCやスマホの閲覧性は加速度的に進歩しており、ウエブ版のMDNEXTを創刊することにしたわけです。新しいことに挑戦することの高揚感は、久々に感じる刺激です。月刊MDも第2の創業期を迎えているのです。


物流センターの
省人化実証実験

 1月に日立物流の「R&Dセンタ」を視察させてもらった。物流の新技術開発と実証実験を目的としたセンタである。研究開発のテーマは、ずばり「省人化」である。
zuhyo_201803 これからの日本の最大の課題は「労働人口」の減少である(図表1)。小売業、飲食業、物流センターなどの労働集約的な労働現場の人手不足は深刻である。現在でもコンビニや飲食業の現場労働を支えているのは、日本人ではなくて外国人である。図表1のように日本人の労働人口の減少は今後加速していく。
 この労働人口の減少をカバーするのが、外国人労働者の雇用と、もうひとつが「AI、ロボット化」による無人化、省人化の動きである。コンビニもRFIDタグの採用によるレジ清算と棚卸作業の無人化、省人化の実験をはじめる。先月号で紹介したユニクロの子会社のジーユーの無人レジの実験、SMのセミセルフレジ(スキャンは店員、精算は顧客)の導入加速など、新しいテクノロジーを活用した無人化、省人化の実験は始まっている。
 物流センターも同様に、人手不足が深刻であり、作業者の調整も困難な物流センターも多いそうだ。日立物流の担当者によると、3年前までは「省人化」というコンセプトはなかったのだが、労働人口の減少によって、3年前から「省人化」に一気に舵を切ったそうだ。
 R&Dセンタで開発・実証実験していることは、物流センター業務を自動化・省人化することである。


ピースピッキングも
ロボットが行う時代に

 たとえば、物流センターの入荷検品に関しては、…
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