小売業の売上は
間違いなく減少する
アマゾンの売上が18兆円を超えた。リアル店舗の成長率をはるかに凌ぐ上昇率だ。ネット販売との競争、人口減少によって、日本の小売業は、間違いなく売上が減少する。図表1は、商業統計に掲載された日本の小売業の総売上(年間販売額)、総売場面積、企業数(事業者数)の推移を図表化したものだ。日本の小売業の総売上は、1997年の約147兆円をピークに右肩下がりに減少していることがわかる。2016年の総売上は約127兆円と、ピーク時と比較すると、この20年で約15%も総売上が減少している。
一方、総売場面積は、1997年以降も増加していた。総売上が減少しているのに、総売場面積が増え続けた2007年までの10年間は熾烈なオーバーストアの時代であったといってよい。しかし、2007年から2016年までの期間は、総売場面積も減少に転じている。
小売業の企業数(事業者数)は、ものすごい勢いで減少している。日本の小売業の寡占化が一気に進んでいることがわかる。
1997年以降の右肩下がり時代に急成長したドラッグストア(DgS)は、右肩上がり時代に成長したGMSなどの業態が「売上至上主義」だったのと異なり、売上よりも収益性を重視するROA(総資産対経常利益率)主義だった。また、当初から大商圏主義ではなくて、「小商圏・ドミナント出店」だった。これらの経営戦略は、右肩下がり時代に適したものだったことが、DgSの急成長のひとつの要因だった。
しかし、これからのネット販売との熾烈な競争を考えると、リアル小売業は…
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