ラインロビングとは
小商圏 シェアの基本作戦
今月号で紹介したマツモトキヨシの郊外型店でも「精肉」「青果」をラインロビングしており、コンセッショナリー(売場貸し方式)ではあるが、ドラッグストア(DgS)で生鮮を取り扱うことが一般的になってきた。
ちなみに、マツモトキヨシの食品部門の売上構成比は10%弱と低いので、従来では考えられないチャレンジであることがわかる。
現在、「地域でもっとも便利な店」を目指すDgSは、ラインロビングにもっとも関心があるといっていい。しかし、新しいカテゴリー(商品群)を増やすラインロビングの目的は大きく変化している。かつての小売業のラインロビングの目的は、新しい商品群を増やして大型化することで、従来よりも商圏を拡大することが目的だった。広域からの集客を目指していたわけだ。
しかし、Amazonで何でも購入できる現代のラインロビングの目的は、狭小商圏の中で来店目的と来店頻度を増やし、限られた人口でも売上と客数を増やすことが目的である。DgSの1店当たりの商圏人口は1万人を切っており、今後は商圏人口7,000~5,000人の極小商圏が主戦場になる。
図表1は、狭小商圏時代のラインロビングの目的を整理した図である。オーバーストア、ネット販売の成長でリアル店舗の狭小商圏化が加速すると、近隣に住む固定客の買物目的を増やして、一人当たりの支出金額を増やす必要がある。 物目的を増やすためには新しい商品群をラインロビングしなければならない。つまり、ラインロビングとは、狭小商圏で成立させるための基本作戦なのである。
第1の方向性は
PI値100の核商品づくり
狭小商圏 シェアのためのラインロビングは、2つの方向性がある……続きは本誌をご覧ください