狭小商圏時代は
客層を広げる
ドラッグストア(DgS)同士の過当競争によって、1店舗の商圏人口5,000人台の狭小商圏時代に突入しようとしている。人口が少なくて狭い商圏の小売業が、客数と売上を増やすための対策は図表1の8項目である。
第1は、広域から集客することよりも、限られた商圏内に住む固定客の来店頻度を増やすことである。商圏人口が同じでも月の来店頻度2回が4回に増えれば、客数が2倍に増えたことと同じである。来店頻度を増やすためには、新しい品群・品種をラインロビングして、買物目的を増やすことが基本対策である。
最近のDgSは、青果・精肉をラインロビングすることが一般的になっているが、PI値(レジ通過客数当たりの購入数)の高い商品群のラインロビングは、来店頻度を高めて、客数を増やすためには必要である。
また、狭小商圏店舗であればあるほど、バーゲンハンター(浮動客)よりも、固定客の売上貢献度、利益貢献度が高くなる。つまり、固定客との長期的な絆づくりを強化し、ロイヤルカスタマーを増やすことが、最重点の売上・利益対策である。
今月号の化粧品特集で、資生堂とコーセーの営業のトップに話を聞いたが、両社ともに店の固定客づくり、ブランドのファンづくりについて、DgSと協働していきたいと強調していた。詳細は本文を参照してもらいたい。
そして、「客層を広げる」ことも、狭小商圏時代の売上・客数対策である。「客層を広げる」ためのアプローチは3つある。第1は、男性客を増やす、女性客を増やすことである。DgSの場合は、女性客の割合が多いので、「男性客を増やす」ことが重要である。逆にホームセンターの場合は、女性客を増やすことが優先される。
第2の客層対策は「年齢層を広げる」ことである。そして、最後の客層対策は、低価格帯から中・高価格帯の売れ筋を育成することである。とくに、中・高単価の売れ筋を育成することによって、ロイヤルカスタマーを増やすことができる。
狭小商圏時代の
商品構成グラフ(棚割)
小売業のMD(マーチャンダイジング)の基本は、カテゴリー単位の「商品構成グラフ」(棚割の状態)を設計することである。商品構成グラフは、縦軸に陳列量(フェース数)、横軸に価格(売価)をプロットしたグラフである。商品構成グラフの基本の第1は、……続きは本誌をご覧ください