狭小商圏時代は
年間買物金額を重視
ドラッグストア(DgS)に限らず、すべてのリアル小売業の狭小商圏化が進行している。狭くて小さな商圏で商売を成立させるための「10の基本対策」を以下に整理してみよう。
当然であるが、近隣に住む固定客の来店頻度を増やすことが第1の対策である。かつては、来店1回ごとの買物金額(客単価)を重視していた。
「ワンウエーコントロール」という売場レイアウトの基本も、「せっかく来店してもらったのだから、多くの売場を回遊してもらって買上点数を増やす」ことが目的だった。
しかし狭小商圏時代の今後は、来店1回あたりの買物金額よりも、「年間買物金額」を重視すべきである。極端なことをいえば、1回の来店で1個しか商品を購入しない顧客でも、365日毎日来店すれば年間買物金額の高い固定客である。
第2は、品群・品種の種類を増やすラインロビングを実施することである。青果、精肉を取り扱うDgSも増えているが、買物目的を増やすことで近隣に住む顧客の来店頻度を増やすことが、狭小商圏時代には不可欠である。ラインロビングとは、地域のもっとも
「便利な店」になるための基本作戦である。 第3は、新しい市場、カテゴリー、新定番をつくることである。とくにヘルスケアは「潜在需要」の宝庫である。アメリカの小売業のヘルスケアコーナーでは、「心臓病対策」「糖尿病対策」「肥満対策」の定番売場が当然のようにあり、医薬品、健康食品、測定機器などが同じ定番売場で関連陳列されている。
「ドラッグストア」と名乗っていながら、代表的な成人病である「糖尿病対策」の定番売場が存在しないことが不思議で仕方がない。日本のDgSは、もっと問題解決型の新・定番売場に取り組む必要があるだろう。
固定客との絆強化
新規客との接点強化
第4は……続きは本誌をご覧ください