食品強化型ドラッグストアは 小商圏で頼りになる店に進化する!

ドラッグストア売上の
3分の1は食品部門

 今月号でもドラッグストア(DgS)の食品強化の記事を掲載する。全国平均でDgSの食品部門の売上構成比は約33%と、すでにDgSの売上の3分の1は食品部門で占められており、DgSにとってすでに食品はなくてはならない商品分野になっている。
 図表1は、上場DgS企業の部門別の売上構成比を示したものである。「コスモス薬品」「Genky Drugstores(以下ゲンキーと略す)」の2社は食品の売上構成比が60%を超えている。「クスリのアオキHD」「クリエイトSD」「カワチ薬品」「薬王堂」も売上の半分近くは食品で占められている。
 「ツルハHD」「ウエルシアHD」「スギHD」は食品と非食品(ノンフーズ)を総合的に品ぞろえする「バランス型」のDgSである。
 一方、「マツキヨココカラ&カンパニー」のような都市型DgSは、食品の売上構成比は極めて低く、マツモトキヨシは9.1%と1割を切っている。
 このように「ドラッグストア」という同じ業態名で名乗っていても、DgSの売上構成比は企業ごとに大きく異なっている。

初期のドラッグストアは
安さで他業態の売上を奪った

 食品強化型DgSは、売上構成比の50%前後が食品であるので、同業のDgSも競合ではあるが、他業態のスーパーマーケットやコンビニとも真正面から競合している。
 人口減少・高齢化が始まり、胃袋(食べる量)の大きさが小さくなる平成中期から急速に売上を伸ばしたDgSは、他の業態から食品の売上高を奪うことで成長したといっていい。売上高を奪うことのできた最大の理由は「低価格販売」である。
 以前、消費者のネット調査を実施し、「ドラッグストアを利用する理由は何ですか?」という質問をしたところ、第1位が………続きは本誌をご覧ください