OTCはカウンター越しに
接客する意味ではない
一般用医薬品の英語はOTCである。Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)の略なので、医薬品カウンター越しに販売する医薬品であると、日本では思っている人が多いが、それは間違った翻訳である。
正確には、「オーバー」という意味は、調剤室のカウンターを越えて、一般の売場でセルフ陳列される医薬品のことである。ドラッグストア(DgS)にとって、OTCを適正販売することで、セルフメディケーションを推進することは、社会的な価値のある活動である。
最近は、効き目の鋭い処方せん薬がOTCにスイッチされるケースが増えており、たとえば水虫薬ではスイッチOTCだった「ラミシール」と「ブテナブロック」が指定第2類のOTCになったことで、水虫の治療効果が大きく高まり、DgSのOTC売場で水虫薬を購入することで水虫が完治する患者さんが増えている。
あるDgSのデータでは、水虫薬の売上はピーク時の半分くらいまで下がっているという。
OTCの売上が減ることは、企業経営的にはあまり良くない結果であるが、セルフメディケーション的には大きな成果である。
病院に行かなくても、水虫という疾患が治ったからである。今後は、効き目の鋭いOTCがDgSの店頭に陳列されるケースが増えていくと思う。そうすると、カウンターを越えてセルフ陳列されるOTCの接客を担当する登録販売者の役割と使命が高まっていくと思われる。
地域で最初に相談される
登録販売者を目指そう
図表1に、「ドラッグストアの今後」について整理してみた。食品強化など便利な店を目指すと同時に、地域のヘルスケアハブ、セルフメディケーションを推進することは、DgSの重要な社会的責任である。セルフメディケーションの推進のためには、登録販売者の大活躍時代が到来することが期待される。
一般社団法人日本登録販売者協会の2025年6月27日のニュースリリースによれば、同協会会長の横山英明氏が社長を務めるコスモス薬品に届いた、医薬品登録販売者に対するお客様からの感謝の言葉が紹介されていたので、一部を抜粋して紹介する。………続きは本誌をご覧ください