買上率の高い必需品の 品揃えの良さがCSを高める

菓子・スナック売場の充実が
顧客満足に最も強い影響与える

 今月号の特集は、ドラッグストアの「顧客満足度(CS)調査」である。CSの企業ランキングを発表しているせいか、毎年、非常に反響の大きい特集である。
 CS調査に関しては、企業の親しさとか、購読部数の多さとかの私的な配慮は一切していないことを強調しておきたい。それが調査の信頼性を守る唯一のルールだと考えているからである。
 しかし、順位に一喜一憂するよりも、顧客満足度を高めるための重要ポイントを確かめるために活用してほしい。時代によって、顧客満足度を高める要素は微妙に変わるからである。 
 今回調査で店全体の「総合満足度」にもっとも影響を与える項目の1位にランクインしたのは、「菓子・スナック類売場」の充実である。今回から新設した項目でいきなりトップになった。菓子・スナックは、生鮮を含む食品部門の中で、もっとも「買上率」の高いカテゴリーである。
 菓子の方が、精肉よりも飲料よりも買上率が高い。買上率が高いという意味は、限られた狭小商圏に住む固定客が頻繁に買物する可能性の高い食品であり、菓子を目的に来店する店は、店全体の総合満足が高いと結論付けられる。つまり、買上率の高い商品は、狭小商圏時代に、顧客満足を高めるための戦略カテゴリーである。
 店全体の総合満足度に大きな影響を与える商品に関しては、「パン売場の充実」が4位、「ペット用品売場の充実」が7位にランクインしている。パンもペット用品(とくにペットフード)も買上率の高い商品である。
 ランキングには入っていないが、「オーラルケア」「洗濯洗剤」「紙製品」も買上率の高い商品である。狭小商圏時代には、買上率の高い商品を重点的に強化することがとても重要である。
 「商人道」(商業界の創始者、倉本長治著)の商訓のひとつに、「真の繁盛は繰り返し」という格言がある。繰り返し来店してくれる店こそが顧客満足の高い店なのだと思う。



基本接客の徹底力が
顧客満足度を向上する

 その他、総合満足度に強い影響を与える項目の上位には、………続きは本誌をご覧ください