事件は「店頭現場」で
常に起きている
今月号は、小売業、メーカー、卸売業のための「マーチャンダイジング(MD)の教科書」「人材育成の教科書2026」である。とくに小売業の店舗運営部の業務を中心にMD活動をまとめてみた。
これから日本の人口はさらに減少する。また、大量出店で成長してきたドラッグストアの出店ペースも落ち着いていくだろう。こういう人口減少時代の売上対策で、もっとも重要なことは、店頭現場で日々生まれている「機会損失」をつぶしていくことである。
店頭現場の実態を理解することは、小売業だけでなくて、メーカー、卸売業の営業マンにとっても極めて重要である。
商談結果が店頭実現されているか、適正な棚の位置に適正な在庫で陳列されているか、欠品が少ない棚割を維持しているか、販促物が設置されているか、などの店頭状況によって売上は大きく変わる。
商談結果が成功するか失敗するかの70%は店頭実現・完全作業で決まる。人口減少時代に、もっとも売上に影響を与える要因が店頭の機会損失対策である。常に「事件は店頭現場で起きている」ことを強調しておきたい。
固定客の離反原因
3つの欠品をなくそう
人口減少時代には、固定客との長期的な信頼関係(エンゲージメント)を構築しなければならない。固定客が離反する大きな原因のひとつが店頭での「欠品」である。
「星の数ほど店がある中で、わざわざ来店したのに欲しい商品が欠品していた」というマイナスの買物体験は、固定客の離反を招く。欠品の原因は、棚割の問題(売れ筋の在庫不足)、メーカー欠品など、店長の責任である原因は少ないが、「欠品は顧客に対する裏切り行為である」という意識は、日頃から持ちたいものである。
店舗運営部の第1の売上対策が「完全作業」「機会損失対策」であり、第2の売上対策が「欠品を減らすこと」である。
店頭における欠品とは、大きく3つに分けられる。第1が「ゼロ欠品」(棚に商品がない状態)である。第2が「VOID」(棚札も商品もなくフェースが消失した状態)である。春の棚替えの直後に発生したVOIDが秋の棚替えまで放置されていたら、大きな機会損失の原因になる。
そして第3の欠品が「品薄状態」であり、「心理的欠品」とも呼ばれる。買物客は、棚に残り2個とか3個の品薄状態になると、心理的に不安になり、購入をためらうという調査結果がある。
商品を気持ちよく購入してもらうためには、「一定量の陳列量の維持」が非常に重要である。とくに「売れ筋商品」の適正陳列量の維持を最優先のテーマとしてほしい。
「店頭現場」と「数値」の
両方がわかる人材を育成しよう
小売業のキャリアプランでもっとも重要なことは、………続きは本誌をご覧ください