「売り切る力」を高めて 高収益店舗をつくる!

営業利益率8.2%「セリア」の高収益性

100円ショップ「セリア」の業績がよい(図表1参照)。直営チェーン方式で1,000店舗を突破し、ROA(総資産対経常利益率) 19.3%、営業利益率8.2%と驚異的な高収益企業である。

ROAは企業の収益力(儲け)のモノサシであり、ROAが10%を超えている企業は儲かっていると評価されるが、すべての商品の売価が105円でありながら、セリアはとても儲かっていることが分かる(ちなみにドラッグストアでもっともROAが高い企業はコスモス薬品で15.8%、2012年2月期)。
前月4月号で「日雑・家庭用品」の提案力という特集を掲載した。その中で、セリアの日雑・家庭用品の商品構成・商品分類を調査した。


セリアは、台所用品、掃除用品、トイレ用品、バス用品などの、自宅で日々使用する「家庭用品的な買物」のメーンチャネルとして定着しており、日々の生活や買物に不可欠な「生活ストア」であることが分かる。
一方、セリアの坪効率(売場面積1坪当りの年間売上高)は91万円と決して高くない。一般的な郊外型DgSの半分程度の坪販売効率である。坪効率の低さは、VS(バラエティストア)業態の特徴であり、アメリカの「ダラージェネラル」の坪効率は日本円換算で約70万円と低いが、営業利益率が10%を超えている超・高収益企業である。「高度な業態」は、売れていないように見えるが、とても儲かっているのである。
高収益の秘密は、PB(プライベートブランド。小売業が仕様書発注した自主開発商品)の開発強化による粗利益率の高さにある。セリアの粗利益率は、41.7%(対前年比0.8%増)ときわめて高いことが分かる。(…続きは本誌をご覧ください

月刊マーチャンダイジング 2013.5月号