追随できない「強固なブランド」を10年かけて創造しよう

マス広告が効かない!店頭MDの重要性増す

 テレビコマーシャル(マス広告)の効果が年々低下している。私の妻も、スキップ機能を使ってCMを瞬時に飛ばしながら、テレビ番組を視聴している。「早送り」ではないので、CMをまったく見ないで、ドラマや映画を楽しむことができる。
 かつてのように商品(ブランド)を育成する手段が、テレビCM一辺倒だった時代が終わり、店頭、インターネット、口コミ、イベントなどと、商品(ブランド)の育成チャネルが多様化している。
 DgS(ドラッグストア)は、テレビCMの出稿量の多い商品を仕入れて、それを安く販売することで成長してきた。医薬品という高粗利益率部門を持っていたので、テレビCM出稿量の多い売れ筋商品を安く売っても、店全体でマージンミックスをすることができた。
 しかし最近は、テレビCMの出稿量は少なくても、店頭で売れ筋として育成される商品(ブランド)が増えてきた。
 「こんな新商品が発売された」という認知メディアとしてのテレビの有効性はまだ高い。しかし、「この商品はこんな価値があるのか。こんな使い方があるのか」という商品の価値を深く知る「理解メディア」として、店頭での情報発信の有効性は非常に高い。
 「店頭で育成される売れ筋」が増えた結果、小売業では「専売品」、SB(ストアブランド)、PB(プライベートブランド)のような「オリジナル商品」の売上が増えている。
 DgSの売上全体に占めるSB、PBの売上構成比は、5年前は5%程度だったが、最近は10%を超えるDgS企業も登場している(図表1)。
 アメリカのDgSのSB、PBの売上構成比も、2013年期で15.9%と年々増えており、小売業のSB、PB比率の増加は世界的なトレンドである(図表2)。
 SB、PB比率が今後も高まっていくことは間違いない。おそらく10年以内にDgSのオリジナル商品の売上構成比は20%を超えると予測できる。

zuhyo01

zuhyo02

小売業としてブランディングに挑戦

 小売業のSB、PB比率が高まるもうひとつの理由は…

続きは本誌をご覧ください