マーチャンダイジングは製品を商品に変える理論
今月号で特集した「売場レイアウト」と「CDT(カテゴリー・デシジョン・ツリー)=商品分類」は、マーチャンダイジングの体系の中でも非常に重要で、かつ関連した技術である。
小売業は「買物代行業」である。メーカーがつくった製品(プロダクツ)を、「買う立場」「使う立場」に立って売り方を開発し、製品を商品(マーチャンダイズ)に変える技術の総称をMD(マーチャンダイジング)と呼ぶ(図表1)。
MD技術の中でも、使う立場、買う立場に立って商品を再編集する「商品分類」と「売場レイアウト」は小売・流通業が消費者のために提案できる、もっとも重要な付加価値である。
商品分類と売場レイアウトによって、同時に使う商品や、同じ場所で使う商品の関連購買が促進され、新しい使い方や食べ方の提案が生まれ、新しいライフスタイルの発見もできる。
MD理論では、商品群や商品の再編集によって売場レイアウトや商品分類を見直す技術のことを TPOS開発という(図表2)。
また、売場レイアウトや商品分類は、MD技術の中で、消費者や環境の変化に対応して、常にPDCAサイクルを繰り返し、成功事例をつくり、見直し、変化させ続けるべき技術の代表である。
小売業は「変化対応業」であるが、もっとも変化対応すべき技術の代表が、売場レイアウトと商品分類(CDT)である。