小商圏高シェアの新業態開発が加速
本誌で何度も掲載しているように、ネット販売の影響によって、リアル店舗の「狭小商圏化」が進んでいる。
低価格販売によって不特定多数の顧客を広域から掻き集めるタイプの業態が苦戦し、限られた固定客の来店頻度と買物金額を増やすタイプの「小商圏高シェア」型の便利な業態が顧客の支持を集めつつあるのだ。
今月号の巻頭で特集した「トライアルの840坪型」は、まさに小商圏高シェア型のニューフォーマット(新業態)である。
従来、1,500~2,000坪を超える大型店を出店し、低価格で広域集客を図ってきたトライアルが、大型店と大型店の隙間を埋めるように「840坪型」を出店し、消費者の自宅に近づき、小商圏高シェアを目指していることが分かる。生鮮食品・一般食品は2,000坪型と同じ面積を確保しているが、非食品を売れ筋に絞り込むことで小型化を実現している(4ページ以降参照)。
その結果、840坪型を実験している北海道地区では、「アークス」や「コープさっぽろ」のような従来型のSM(スーパーマーケット)が、大きな影響を受けているそうだ。
いずれにしてもトライアルに限らず、これからの日本では、小商圏高シェア型のニューフォーマット開発が加速するだろう。
そして、「距離の便利性」「品揃えの便利性(ワンストップショッピングできる)」「購買手段の便利性(オムニチャネル)」を実現した、地域にとって「本当に便利な店」が顧客の支持を獲得するはずだ。
売れ数比例配分が商品構成の原理原則
今月号の特集は、商品構成(棚割の状態)である。商品構成は、すべてのMD(マーチャンダイジング)活動の起点になる。正しい商品構成とは、「売れ数比例配分」の商品構成である。つまり、…