商品の「置き場」から脱却し「 売り場」「買い場」へ転換しよう

商品を置くだけで
売れた時代は終焉

 今月号のカテゴリー特集は、ランドリー(洗濯関連商品)の特集である。「洗濯」は、「料理」「掃除」と並ぶ三大家事のひとつであり、毎日使用し、頻繁に購入する巨大市場である。
 インテージの調査では、衣料用洗剤、柔軟剤、漂白剤など洗濯に関する消耗剤の合計市場金額は約2,900億円と市場規模は大きく、代表的な「エブリデー・エブリボディグッズ(毎日使用し、誰にも関係する商品)」である。
 当然、小商圏における固定客の繰り返し来店を促進するための「キーカテゴリー」である。
 DgS(ドラッグストア)は、洗濯洗剤などの「消耗品」を低価格販売することで集客し、他業態からシェアを奪うことで売上を拡大してきた。
 また、洗濯洗剤を低粗利益率で価格訴求しても、高粗利益率の医薬品や化粧品とのマージンミックス(粗利ミックス)によって店全体の適正粗利益率を維持してきた。
 しかし、人口が伸びない時代においては、市場全体の成長率は微増である。成熟市場においては、メーカー各社が「除菌・抗菌」「高残香タイプの柔軟剤」「超コンパクトタイプの液体洗剤」「ジェルボール(新剤型)」などの高機能の成長セグメント(サブカテゴリー)を需要創造することで、市場全体の成長を維持している状況 とはいうものの、かつてのDgSの成功体験である「安売りすれば爆発的に売れて、粗利益率は下がっても粗利益額は稼げた」という時代ではない。かつては商品を置くだけで売れたが、これからは、消費者にとってセグメント(用途・機能・効果)が分かりやすく分類(整理)されていて、「どの商品を選べば洗濯の悩みを解決できるか」という問題解決(ソリューション)型の情報発信力の強い定番売場をつくるべきである。
 しかし、今回編集部の店頭調査で分かったことは、DgSの洗濯用品の定番売場は、かつての成功体験そのままに、価格訴求情報だけであり、棚割は単品の「置き場」にすぎず、買いやすく選びやすい「売場分類」や「問題解決型の情報発信」は皆無であったということだ。多くのDgSの洗濯用品の定番売場は、「なんの主張もない単なる商品の置き場である」という結論が、特集を担当した月刊MDの編集者(女性)の率直な感想である。

消耗品に偏りすぎ
用品の売上は低下

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