安さ+αの魅力が リアル店舗には必要だ

安さは小売業の
最大の魅力である

201608_zuhyo01 先日、恒例の米国流通視察に行き、ハイブリッド戦略で成長している「Wegmans(ウェグマンズ)」を見てきた(写真1 店舗リポートは2016年6月号参照)。
 ハイブリッド業態とは、対面式のデリ、オイスターバーなど市場風でエンターテインメント性の高い売場と、必需品を徹底して安く売る価格訴求型の売場が、同一店舗の中で同居している売り方(業態)のことである。売場面積が約3,000坪の大型店SM(スーパーマーケット)である。
 郊外立地で、「これほど繁盛している店を見たのは初めてだ」という感想を多くの参加者が述べていた。ネットで何でも買える時代にあって、Wegmansがこれほど多くの地域の固定客に支持されている理由はなんなのだろうか?
 支持されている第1の理由は、圧倒的な「安さ」である。時代がどんなに変わろうが、買物客が店を選ぶ最大の動機は「安さ」である。Wegmansでは、写真2のような価格比較ボードを売場の至る所に設置し、「わが店の安さ」を主張していた。
 とくに、「一貫パレチゼーション」というメーカーの工場からパレット単位で店舗まで直送する物流によって、単品の価格ではどこよりも安いとされている「Costco(コストコ)」より、Wegmansの方が安いということを店頭でアピールしていた。
201608_zuhyo02 さらに、必需品を徹底して安く売る売場では、Costcoのようなラック式什器によるパレット陳列を行っている(写真3)。Costcoのように、一貫バレチゼーシヨンによって物流コスト、補充コストを下げることで、消耗品をどこよりも安く販売しようとしていることがわかる。
 青果売場の中でもっとも買上率の高いバナナは、ウォルマートと同じ売価の1LB(ポンド、=約450g)あたり39セントと驚くほど安価な値付けをしていた(写真4)。Wegmansは、「価格敏感商品」に関しては、地域最安値を実現するこ
とで集客している。

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リテイルテインメントで
安さ+αの魅力を

 Wegmansの魅力は、安さだけではない。…
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