標準化のレベルが
向上している
毎年12月号(11月20日発売)に特集する「顧客満足度調査」を、スタッフ総出で行っている。今年も30社150店舗をミステリーショッパーが覆面調査し、優秀企業、優秀店舗を選ぶ。中間報告を聞くと、昨年と比べて調査店舗のレベルが高くなっているそうだ。
クリンリネス、レジ接客、欠品などの基本接客、基本作業のレベルが各社ともに向上し、店舗間のバラツキも昨年よりも少なくなっている。
多店舗展開する小売業の最大の顧客満足対策は「標準化」である。標準化とは、どの店に行っても、誰が担当しても、一定の誤差の範囲内で均質化されたサービスを受けられる状態である。店や人によるバラツキの少ない標準化を実現することは、そのチェーンの看板(ブランド)を信頼して、来店してくれた顧客に対する約束を果たすことである。
各社の努力によって「標準化」のレベルが向上しているという報告は喜ばしい。今年は、かなり僅差の勝負になりそうだ。
また、例年、ミステリーショッパーが「なんだこいつは(怒)」という「とんでも薬剤師」に遭遇する機会が多かったが、今年は薬剤師の接客レベルが例年よりも向上しているという報告を聞いた。地域の「かかりつけ薬剤師」としての職能を向上しようと、ドラッグストア(DgS)各社が薬剤師教育に取り組んできた成果が、着実に出ているようだ。こうした業態全体のレベルアップは喜ばしい。
「顧客満足度調査」の結果は、12月号に掲載するが、今月号は店長がエクセレントストア(地域一番店)をつくるための条件について解説する(図表1参照)。
エクセレントストアエクセレントストアの第1の条件は、「欠品率の低さ」である。店長は店の「経営者」であり、経営者的な感覚が求められる。小売業の経営者がもっとも嫌うことは欠品である。星の数ほど店舗がある中で、わざわざ来店してくれたのに商品が品切れしていて購入できない「欠品」は、地域の固定客に対する裏切り行為である。わざわざ来店したのに欠品していてがっかりした顧客は、黙って二度と来店しなくなる。商売人である小売業の経営者にとっては、顧客を失うことに直結する欠品は耐えられないことなのだ。
店頭欠品の定義は3種類ある。…