新カテゴリー、新定番づくりで ソリューションストアを目指そう

制度化粧品と一般化粧品は
顧客不在の売場である

 以前から不思議に思っていたのは、「制度化粧品」と「一般化粧品」という売場の分け方である。化粧品メーカーとの契約上の分類であり、売る側の都合で売場を分けることは顧客不在の売り方である。一般化粧品はセルフ販売で、制度化粧品はカウンセリング販売という分け方もあるが、大半のドラッグストア(DgS)では、80%以上の顧客はセルフで制度化粧品を購入している。
 以前、DgSで目撃した衝撃的な光景。某化粧品メーカーの美容部員が、そのメーカーで発売している一般化粧品ついて顧客から質問されたところ、「その商品は一般化粧品なのでよく分かりません」と回答した。同じメーカーの化粧品なのに、制度化粧品は丁寧に接客するが、一般化粧品は売る気がないわけだ。まさに顧客不在である。
 もともとDgSは、メーカーの美容部員が自社商品をカウンセリング販売する百貨店やGMSの売り方を否定し、ブランド横断的な売り方や接客が支持されたのにも関わらず、一般化粧品と制度化粧品という顧客不在の壁があることがおかしい。もう一度、原点に帰って、顧客にとって買いやすく、選びやすく、親切な化粧品の新定番づくりを進めるべきである。
 また、制度化粧品しか接客しないという売り方からも脱却し、一般化粧品も接客し、テスターで試せる売場づくりを進めるべきである。
 ある調査によると、制度化粧品と一般化粧品を併買している顧客が、もっとも化粧品の年間購入金額の高い優良顧客であるという。
 最近、キャンメイクやメイベリンのような10代20代の支持率の高い一般化粧品メーカーが、DgSとの取引を嫌がっているという話をよく聞く。PLAZA(旧ソニープラザ)やロフトのようなバラエティストアの方をDgSよりも重視している。制度化粧品の3割引きばかりしているDgSに陳列するとブランド価値が下がるので、ブランド価値を高めてくれるバラエティストアを優先しているように思う。
 このトレンドは、DgSにとっては危機である。なぜならば、10代20代が支持しているブランドが売場に入らないということは、「未来の顧客」がいない状態であるからだ。

過去の成功体験で
業態は衰退期に入る

 業態の栄枯盛衰の歴史を見ると、多くの業態は、過去の成功体験から脱却できずに衰退のサイクルに突入する。…

続きは本誌をご覧ください