EC版の顧客満足度調査で
DgSのECの課題が明確に
今月号の巻頭特集は、「EC版顧客満足度調査」である。編集部が実際にアマゾンやヨドバシカメラ、DgS(ドラッグストア)のECサイトで商品を注文し、選びやすいか、購入しやすいか、価格は安いか、送料はどうか、届くまでの期間などの項目をチェックして、ECサイトの顧客満足度を調査したものである。
詳細は本文を参照してもらいたいが、ベビー紙おむつ「ムーニーエアフィットMサイズ」の売価調査は衝撃的な結果に終わった。
送料・ポイントを加味したユニットプライス(1枚当たり単価)の最安値は西松屋であり、DgSの大手3社は他のECサイトと比較して軒並み価格が高かった。
DgSのECサイトは、アマゾンやヨドバシカメラと比べて、EC販売の規模が圧倒的に小さく、マスメリットを出すことができていないようだ。
ネット販売が急成長しているから、「われわれもECサイトに取り組まねば」という理由でECサイトを運営しているのだろうが、小売業にとってECサイトを運営することは目的ではない。目的は、地域の顧客の買物の便利性や買物体験を向上させることである。
たとえば、一人暮らしの高齢者のために、近くの信頼できるDgSがECサイトで注文を受けて商品を宅配するサービスや、近隣の店舗では取り扱っていない商品を「お取り寄せ」するサービスなどはリアル店舗の価値を高める。
このようにECやオムニチャネルなどのICTツールは、リアル店舗の価値を高めることに直結したものでなければ意味がない。EC販売という土俵で「アマゾンの量」に太刀打ちできるはずがない。
小売業はECを片手間にやるよりも、リアル店舗の価値をもっと高めるべきである。
化粧品はネットよりも
リアル店舗で購入される
リアル店舗の価値を高めるためには、…
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