CS向上=買物体験の質の向上 ES向上=仕組化で店内作業の合理化

接客、感じの良さの人間系が
再来店意向に大きく影響する

 今月号の特集は、恒例の「DgS顧客満足度調査」である。この特集は、順位を付けることが目的ではない。
 多店舗展開しているチェーンストアの最大の顧客満足対策は、どの店に行っても、誰が担当しても高次元のサービスを受けられる状態を維持することである。とくに店や人による「バラツキ」を少なくすること、すなわち「標準化」の徹底と維持こそが、チェーンストアの最大の顧客満足対策であるという原理原則を再認識してもらうことが、本特集の目的である。
 詳細は本文を参照してもらいたいが、今回は、顧客満足に大きく影響する項目の配点を多くするなどの統計学的な分析手法を用いた。調査結果を参照すると分かるが、「レジ対応」「接客の態度」「店員が来店客に関心を払っているか」などの「人」に関する項目が、顧客満足に大きく影響することが分かった。
 ネットで何でも買える時代にあって、リアル店舗の価値は「試せる」「触れる」「居心地がいい」「店の人と話をしてアドバイスしてもらえる」というリアルな買物体験である。
 これからのリアル店舗は、CS(customer satisfaction=顧客満足)の向上のために、人と人が接する「リアルな買物体験の質」の向上を目指さなければならない。
 もちろん接客の強化も重要だし、ICTやオムニチャネル化による便利な買物体験の質の向上も目指さなければならない。
 今月号で紹介した「トライアル」のショッピングカートに付けた「タブレットPOS」で、売場案内やクーポン情報を提供するICTを使ったサービスも、買物体験の質の向上につながる。
 こういったICTやオムニチャネルを使ったサービスは、「秒針分歩」の高速度で進化しているので、遅れないように広く社外にアンテナを張っておくことが重要である。
 いずれにしても、企業の都合よりも「顧客満足の向上」を経営戦略と企業文化の中核に据えることに成功した企業が、勝者になることは間違いないだろう。

仕組みがないと現場は疲弊し
CSが低下する

 「接客」や「感じの良さ」などの店舗スタッフの人間系の要素が、CSの向上に大きな影響を与えるとすると、…
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