ICT、AIを使った小売業の 「生産性革命」は待ったなし

小売・卸売業の生産性は
米国の3分の1程度と低い

 公益財団法人日本生産性本部の調査(2016年12月)によれば、アメリカを100とした場合、日本の「小売業・卸売業」の生産性は38.4と非常に低い水準にとどまっている。当然、生産性の差が、日米の小売業のROA(収益性)の差につながっている。
 とくに労働集約産業である小売業は、人の「生産性革命」が待ったなしの状況に来ている。今後、労働人口(15歳~64歳)が減少することは確実であり、既にコンビニのレジ担当者の多くは外国人が採用されている。
 人の生産性は、「付加価値(売上、粗利)÷人時数」で表現されるが、人時数を単純に減らすような、仕組化を伴わない人の生産性向上策では現場が疲弊し、ES(従業員満足)が低下する弊害の方が多くなり、逆に生産性が低下する。
 前月号でも述べたが、ESが低い企業や店舗は優秀な人材が退職し、競合企業に転職するリスクが高まる。また、今後は労働人口の減少によって、パート&アルバイトの採用難時代に突入する。ESの低い店舗は採用してもすぐに退職し、採用・教育費用が増加し、すぐに辞めるので熟練したスタッフの定着率が低く、その結果、人間系のサービスレベルが低下し、当然、CSも低下する。
 これからの小売業は、ICT(informationandcommunication technology)、AI(人口知能、artificial intelligence)、ロボットなどの最新テクノロジーを使った「仕組化・省力化」による生産性革命が急速に進むだろう。

ウォルマートペイを
実際に使ってみた

 小売・流通業の中で人時数の多い作業は何だろうか? 小売業の店内作業では、補充作業、発注作業、レジ作業、棚卸作業などに膨大な人手がかかっている。
 今月号で記事を掲載している「関西スーパー」では…
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