ワンストップショッピング傾向が 高まる時代の「売場レイアウト」

売場レイアウト技術が
非計画購買を高める

 6種類の「購買心理」を図表1に整理した。「計画購買」の第1は、事前に購入商品を決めて来店し、その商品を迷わず購入する計画購買。第2は、事前にカテゴリーの買物(たとえばシャンプーを買いに行く)を決めて来店し、店頭でブランドを選択する計画購買。第3は、事前に購入商品を決めていたが、店頭でブランドスイッチする計画購買の3種類がある。純粋な計画購買は第1だけである。
 第2と第3の計画購買は、58ページからの情報発信の企画で紹介したPOPや動画などの店頭での「情報発信」によって、自社の推奨品やPBにブランドスイッチを誘導することができる。図表1

 一方、図表1の「関連購買」以下の5項目は、すべて「非計画購買」である。つまり、来店後に売場を回遊しながら、非計画的に行う購買行動である。非計画購買の多い店は、結果として買上点数が増えて、ワンストップショッピング性が高まる。
 ID-POSの専門家であるJBtoBの奥島晶子氏によれば、SM(スーパーマーケット)のID-POSの5年間の経年変化を分析すると、高齢化率が高まると、顧客の「ワンストップショッピング傾向」が強まるという。
 たとえば、58歳の顧客が5年たって63歳になると、冷凍魚、冷凍食品、パウチ総菜などの単独世帯対応の商品の買上率が高まると同時に、トイレットペーパーや衣料洗剤などの「消耗雑貨」の買上率が高まるそうだ。
 つまり、従来は、衣料洗剤やシャンプーなどの日用雑貨はDgS(ドラッグストア)で購入し、食品はSMで購入していた顧客が、食品と同時に日用雑貨も購入するというワンストップショッピング志向が高まるという意味である。業態間の垣根が低くなり、業態間のワンストップショッピング競争が激化する。
 最近は、コンビニもシャンプーの詰め替え用を低価格販売したり、トイレットペーパーの価格をかつてよりも値下げしている。
 これからの購買のトレンドであるワンストップショッピング、つまり買上点数を自然に増やすことに、もっとも大きな影響を与える小売業の技術が「売場レイアウト」である。

ルーラル立地は
TPOS分類が重要

 今月号の売場レイアウト特集では、SMのヨークベニマルとヤオコーの売場レイアウトと、中分類(カテゴリー)別の尺数表を掲載した。最近は、ヨークベニマル、ライフのような大手SMが意図的に…(続きは本誌をご覧ください