令和時代を切り開く 新しい乗り物=新業態に挑戦しよう

大変化の時代に
新業態が台頭する

 平成時代の後期に起こった「デバイス&SNS革命」によって、オンライン小売業が急成長した。デバイス革命を牽引した初代「iPhone」が登場したのは平成19年(2007年)と、わずか10年ちょっと前の出来事である。また、SNS革命を牽引したFacebook、Twitter、YouTube、Gmail、InstagramなどのSNSサービスは、平成22年(2010年)から急速に普及したものであり、平成時代の中頃には存在すらしなかった。
 こういう急激な変化が起きる時代は、既存の業態が衰退し、新業態が登場し、台頭するというのが小売・流通業の過去の歴史である。
 令和時代に入って、すでに業態の栄枯盛衰の兆しは表れている。平成元年16,466店だった店舗数が、平成30年には55,743店と3.5倍に増加し、平成時代の小売業の王様になった「コンビニ」の出店数に急ブレーキがかかっているからだ。
 大手コンビニ4社の2016年度の純増店舗数(出店数-閉店数)は1,600店だったが、年々純増店舗数が減少している。そして、2019年(令和元年)の主要4社の新規出店計画は2,090店、閉店計画2,050店、純増店舗数40店と、店舗増加率が一気にスローダウンする。
 セブン−イレブンは今期(2018年度)の純増店舗数が616店に対して、来期(2019年度)は100店と大きく減少。ローソンに至っては、2019年度の「純増店舗数ゼロ」を計画している。

ショッピングモールの
廃墟化が進むアメリカ小売業

 アメリカの小売業界は日本よりもはるかに早く、そして急激に、リアル小売業の主役が交代している。アメリカ小売業は、2017年に約5,000店も閉店した。これはアメリカの小売業界にとって記録的な数字である。2018年も5,000店を上回る小売業が閉店し、さらに2019年は、3月時点ですでに4,300店舗の閉店が発表されている。
 アメリカ小売業は、未曽有の「閉店ラッシュ」である。とくに、…(続きは本誌をご覧ください