完全なる「差別化」こそが 最大の顧客満足対策である

最大の顧客満足対策は
「差別化」である

 図表1は、月刊MDが毎年調査している『ドラッグストア顧客満足度調査』の中で、総合満足度(再来店意向)にもっとも影響を与える調査項目のトップ9である。
 つまり、図表1の9項目の満足度を高めることが、店全体の顧客満足度を高めるための重点改善分野である。
 たとえば、相関の高さ5番目の「パン売場を見て、このお店でパンを買い続けたいと思いましたか?」という調査項目は、2021年度の調査で初めてランクインした。
 つまり、ドラッグストア(DgS)の調査ではあるが、パン売場の良し悪しが店全体の顧客満足度に大きな影響を与えていることがわかった。
 図表1の中で、ダントツに総合満足度に影響を与えるのは「他のチェーン(看板の違う店)にはない特長や工夫を感じましたか?」という調査項目である。
 これは、2年前から総合満足度に大きな影響を与える調査項目として、ランクインしたものである(3年前はランク外)。そして、2021年の調査では、総合満足度に影響を与えるダントツ1位の項目となっている。
 この調査項目は、現状の満足度がもっとも低く、「相関係数」(総合満足度への影響度)が極めて高い。この項目を改善することが、店の顧客満足度を高めるための最優先項目であるという意味でダントツという言葉を使った。
図表1

Amazonと競合店を超える
目的来店性をつくろう

 この調査結果で、来店客のほとんどはDgSが差別化されておらず、他社と同質化していることに大きな不満を抱いていることがわかった。
 今月号では、DgS各社のプライベートブランド(PB)戦略の「総まとめ」を掲載しているが、Amazonも競合店も乗り越える「来店目的」をつくるためにも、PB開発は最大の差別化戦略であると同時に、最大の顧客満足度対策でもある。
 さらに、かつてのPBのように「有名メーカー品にパッケージがそっくりで価格が半値」という価格ブランドだけではなくて、……続きは本誌をご覧ください