買物を完結できる店の
顧客満足度が高い
今月号は、恒例の「ドラッグストア顧客満足度(CS)調査」である。毎年申し上げていることだが、この調査は企業順位を付けることが目的ではない。1企業10~20店程度の調査店舗数なので、調査店舗の当たり外れで順位は変動するからだ。
とはいうものの今回の顧客満足度調査で第1位だった杏林堂薬局と、第2位のコスモス薬品は、毎年上位にランキングされており、ハイレベルの標準化が徹底されていることがわかる。
とくにコスモス薬品は、年間100店レベルの高速出店を継続しながら、この顧客満足度の高さを維持していることは驚異的であるといっていい。
CS調査の目的は、リアル店舗が顧客満足を高めるために、何に取り組めばいいかを具体的に抽出することである。
地域に住む調査員の「再来店意向」の強さを表す「総合満足度」という統計学的な指標がある(22ページ参照)。
簡単にいえば、総合満足度との相関の高い調査項目を改善すれば、顧客満足度が高まる。顧客満足度を高めるために重点的に取り組む項目であるといっていい。
2022年版で総合満足度との相関がもっとも高かったのは、「ワンストップショッピングができるか?」という項目であり、初のランクインである。「コロナ禍」「高齢化」「狭小商圏化」によって、複数の店舗をいろいろ回るのではなくて「近くの店で買物を済ませたい」という購買行動の大きな変化が起こっていることがわかる。
短時間で買物できる店は
商品が探しやすい店である
一方、「ショートタイムショッピングができるか?」に関しても、総合満足度と相関の高い項目の第4位にランキングされている。
つまり、ワンストップショッピングとショートタイムショッピングの両立こそが、これからの時代の最重点の顧客満足度対策であることがわかる。
大型店で何でも揃っているだけではダメで、短時間でいろいろ商品を購入できることも重要である。そういう意味では、DgSが業態開発を進めている400坪程度の売場面積の「フード&ドラッグ+調剤」は、ワンストップとショートタイムを両立させやすい店であると思う。
「短時間でいろいろ購入できる店」とは、「商品が探しやすい店」のことである。
売場面積の大小にかかわらず、来店客から聞かれることの第1は「〇〇はどこにあるのですか?」という質問である。最近、大型のホームセンター(HC)では、売場案内ができるロボットを導入する事例も登場している。
いずれにしてもセルフで商品が探しやすい店こそが、ワンストップとショートタイムを両立することができる。
そのためには、……続きは本誌をご覧ください