ドラッグストアの歴史を学び 未来の「挑戦」に備えよう!

平成後期の15年間で
2.6倍も市場が拡大した

 今月号では10月16日の月刊MD記念式典の際にビデオを上映したハックイシダ創業者(現ウエルシア薬局名誉顧問)の石田健二氏のインタビュー内容の詳細を掲載した。91歳という御高齢にもかかわらず、きわめて論理的な言葉で話していただいたことに感動を覚えました。
 今月の視点では、25周年記念式典の際に「ドラッグストアの過去」について私が話した内容について紹介します(ドラッグストアの未来についても話しましたが、その内容は割愛します)。 
 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言もあるように、ドラッグストアの挑戦の歴史を学ぶことは、未来の挑戦の参考になります。
 月刊MDが創刊した1997年は、日本の小売業の総売上高が約147兆円とピークを迎えた年でした。その後、小売業の総売上高は右肩下がりに低下しています。つまり、ドラッグストアは日本の高度経済成長が終わった右肩下がり時代に奇跡的な大成長を遂げた業態なのです。
 私が独立した数年後に、ダイエー、マイカルという高度経済成長時代の小売業をリードしてきた企業が相次いで経営破綻しました。そして、小売業の主役が交代するように、ドラッグストアの快進撃が始まったのです。
 ドラッグストアは、月刊MDで統計を取り始めた2008年の約3兆2,000億円の売上高が、2022年には8兆7,134億円に成長しました。15年間で2.6倍も市場規模が拡大したわけです。

 図表2の折れ線グラフを見ると、……続きは本誌をご覧ください