DXによる「人の生産性」向上 DXによる「新しい買物体験」実現

人の生産性向上が
2024年最大の経営課題

 2024年がスタートしました。今年の最大の経営課題は、「人の生産性」の向上です。巻頭インタビューに登場していただいたPALTACの吉田拓也・新社長も、人口減少、高齢化、右肩下がり時代の日本の流通業にとって、もっとも重要な経営課題は「人の生産性向上である」と強調しています。
 頭では理解したつもりでいても、相変わらず「売上の前年比主義」で評価する企業はたくさん存在します。しかし、次の10年は、右肩上がり時代の「売上至上主義」から完全に決別する10年になると思います。評価基準は、売上よりも利益、そして投資に対するリターンになります。
 2024年の最大の経営課題である「人の生産性」向上の基本的な目安を図表1に示しました。業態や粗利益率の高さによっても異なりますが、人の生産性(人時生産性)の目安は人時売上高で2万円(月)、人時粗利高で6,000円(月)が目指すべき数値の目安になります。とくに人間の歩行距離をいかに減らしていくかが、もっとも重要な改革のポイントになります。図表1
 本誌で連載中のリテイリングワークスの佐々木桂一氏によれば、あるドラッグストア(DgS)で作業分析をしたところ、売場面積150坪の店舗で一人当たり毎日1万5,000歩・約10㎞も歩いていることが分かりました。つまり、8時間勤務中の3分の1は歩行時間になるわけです。
 PALTACも、旧来の人間が歩行して商品をピッキングする方式だと、パートさんの労働時間の2分の1は歩行時間であることが分かりました。
 そこで、人間が歩かないで止まったままで、商品の方が手元に届くビッキング方式に変えたところ、パートさんの労働時間の2分の1を占めていた歩行時間がゼロになったために、ピッキング作業の人の生産性が2倍になったわけです(5ページの図参照)。
 「歩行距離を減らす」「商品のタッチ回数を減らす」ことが、人の生産性向上のための重要なキーワードです。
 一方、……続きは本誌をご覧ください