「登録販売者」の説明責任と 顧客管理が義務付けられる!?

オーバードーズ(濫用薬)に関する
販売制度改正の方向性

 令和5年(2023年)の2月から開催されている『医薬品の販売制度に関する検討会』の第12回目(令和6年1月12日開催)のとりまとめ資料を入手したので簡単に解説する(座長・次世代基盤政策研究所代表理事・森田朗。座長代理・和歌山県立医科大学部薬学部教授・赤池昭紀)。医薬品の販売制度に関する検討会
 内容を読むと、医薬品の販売方法に関する改正の方向性は大きく分けて3つある。
 第1は、社会問題化しているオーバードーズ(濫用など)のリスクのある特定成分(エフェドリンなど)の入った医薬品に関しては、薬剤師など(登録販売者も含む)の専門家の説明責任と顧客管理の義務を果たすことに重点を置かれた改正の方向性になっている(対象は380SKU以上の医薬品)。
 『医薬品の販売制度に関する検討会』の第12回目(令和6年1月12日開催)のとりまとめ資料によると、濫用薬は原則一人一包装単位の販売とすると書かれている。
 また、「ア.20歳未満の者による購入の場合、イ.20歳以上の者による複数個または大容量製品の購入の場合」などについては、購入者の氏名等を写真付きの公的な身分証明書などを確実に確認できる方法で確認を行い、店舗における過去の購入履歴を参照し、頻回購入でないかを確認することを義務付けている。
 また、「販売後にはこれらの販売状況について記録し、その情報を保管する」と書かれている。
 つまり、濫用薬に関しては、一人一人の患者に対してきちんと説明責任を果たし、さらに何回目の購入なのかを把握するために、なんらかのツールによる顧客管理体制が必要になることがわかる。
 さらに、濫用薬は購入者の手に届かない場所へ陳列することが改正案の中で示されている。

登録販売者制度による
失われた15年の問題

 平成21年(2009年)6月1日に『登録販売者制度』が施行されて15年が経過した。医薬品の管理者である登録販売者制度がスタートした15年間で、ドラッグストアの店舗数は飛躍的に増加した。
 一方、本来は医薬品の管理者であり、医薬品の説明責任を果たすべき登録販売者の役割が不明確になってしまったことが大きな問題点である。……続きは本誌をご覧ください