AI活用で省人化・省力化を進め 店頭人材の「大活躍」で差別化しよう

ウォルマートのAI
「Sparky」の衝撃

 ウォルマートのジョン・ファーナー新CEOが、2026年2月19日の四半期決算説明会で、AIを活用した買物アシスタントの「Sparky」を利用する顧客の注文額は、利用しない顧客よりも約35%も高いと語った。この差は衝撃的な数値である。
 スパーキーは、ウォルマートのアプリ内にあるスマートフェイス(図表1)が目印の「Ask Sparky」ボタンから利用できるショッピングアシスタントである。
 ファーナー氏は、Sparkyの活用でウォルマートがこれまで以上に顧客の意図を深く理解できるようになったと述べた。
図表1
 「スパーキーができることは、顧客が人生で何を成し遂げようとしているのかを、非常に明確に理解することだ。それが誕生日パーティーであれ、キャンプ旅行であれ、1週間分の献立づくりであれ、あるいは今夜の夕食の準備であれだ」(ファーナー氏)。
 ウォルマートは、2017年~2022年までの期間、新規出店を抑制し、総投資額の約70%をデジタルに投資するなど、リアル小売業としてのビジネスモデルを劇的に変化させてきた。そして、2023年に「われわれはオムニチャネルリテーラーに進化した」と高らかに宣言している。
 つまり、AIによる買物アシスタントの活用で、顧客のよりパーソナルなニーズに自律的に対応できるようになり、それによって買物金額を大幅に増やすことに成功し、オムニチャネルリテーラーとしてのさらなる進化を遂げたことがわかる。

DXの真の目的は
パーソナルな接客の実現

 7年ほど前に、P&Gの本社があるアメリカのシンシナティという町で、全米最大のスーパーマーケットチェーン「クローガー」のDX部門の上級副社長の講演を聞いたことがある。
 電子棚札、店内サイネージの活用などの話を中心に聞いたのだが、もっとも印象に残ったのは、「DXの究極の目的は、………続きは本誌をご覧ください