品目数が多すぎて
選びにくい売場ではないか
先月号(9月号)のオーラルケア特集で、かなり衝撃的なデータが出ていたので、再掲載する。オーラルケアの市場規模は2019年の3,221億円から2023年は3,428億円と5年間で106.4%伸長している(図表1)。
一方で、レジ通過客100人あたりの購入者の割合を示す「買上率」は5年間で5.3%も下落している(図表2)。
市場は拡大しているが、ドラッグストア(DgS)で買物しながら、オーラルケア商品を購入する顧客の割合は減少していることになる。
オーラルケアは、市場規模が3,000億円オーバーと大きく、老若男女を問わず誰もが毎日使う「エブリデー・エブリバディグッズ」の代表であり、客層が広く、購買頻度も高い。しかも、非食品では買上率がダントツに高いカテゴリーのひとつである。
何年か前の「レシート調査」によれば、オーラルケアの業態別の買物金額の約70%をDgSが占めており、DgSにとっては差別化のための戦略カテゴリーであった。
また、オーラルケアは、小商圏で展開する小売業が、地域一番化するための戦略カテゴリーでもある。なぜなら、オーラルケアを買いに頻繁に来店してくれる固定客は、当然その他の商品もたくさん買物してくれるからだ。
DgS企業の多くは、小商圏高シェアのための戦略カテゴリーとしてオーラルケアを強化しており、郊外店舗では最大11~12本(3尺)もの広い売場面積を取っている。
しかし、市場が成長しているのにもかかわらず、DgSにおけるオーラルケアの買上率が5年間で約5%も減少していることは、他の業態にオーラルケアの売上を奪われているといっても間違いないだろう。
高機能高単価の商品を推奨しているので、売上や粗利は減っていないかもしれないが、買上率の減少は、明確な「客離れ」を表している。他の業態よりも圧倒的に広い面積と、品目数の多さを誇っているにも関わらずだ。
売場面積は広いが、品目数が多すぎて、探しにくく、選びにくい売場になっていることが、客離れの最大の原因ではないかと思う。
選びやすい売場とは
売れ数比例配分の売場
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