100円ショップ「セリア」の業績がよい(図表1参照)。直営チェーン方式で1,000店舗を突破し、ROA(総資産対経常利益率) 19.3%、営業利益率8.2%と驚異的な高収益企業である。
ROAは企業の収益力(儲け)のモノサシであり、ROAが10%を超えている企業は儲かっていると評価されるが、すべての商品の売価が105円でありながら、セリアはとても儲かっていることが分かる(ちなみにドラッグストアでもっともROAが高い企業はコスモス薬品で15.8%、2012年2月期)。
前月4月号で「日雑・家庭用品」の提案力という特集を掲載した。その中で、セリアの日雑・家庭用品の商品構成・商品分類を調査した。
2月前半にニューヨークとラスベガスへ視察旅行にってきた。アメリカの流通業界を取り巻く最大の変化は、アマゾンに代表される「ネット通販」の急成長である。「ショールーミング」という言葉がブームになっており、ネット通販とどう差別化するかが、「リアル店舗」の最大の経営テーマになっている。
世界最大の小売企業である「ウォルマート社」は昨年、アマゾンに対抗してNB(ナショナルブランド)の値下げを断行した。また、アメリカの世帯の25%は銀行口座を持っておらず、クレジットカードやデビットカードを持てない顧客に対して、オンラインで購入した商品代金を48時間以内に店舗で決済するサービスも開始した。
さらに、顧客の利便性を高めるために、ウェブで注文した商品を利用客の希望する店舗でピックアップできる「サイト・ツー・ストア・プログラム」を強化している。すべてネット通販に対する対抗手段である。
今回のアメリカ視察で、「繁盛しているリアル店舗」の特徴は、以下の2点である。この2点が、ネット通販と差別化するためのリアル店舗の重点経営対策である。